中小企業のクラウドソーシング活用で「費用の安さ」を目的にしてはいけない理由

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中小企業がクラウドソーシングの利用を考える場合、まず初めに思いつくのは安くて人材活用できることでしょう。

クラウドソーシングは在宅で仕事するし、空き時間を使るわけだから安い単価で仕事を発注できる。コスト削減として使えるのではないか。そう発想する中小企業の社長さんは多くいそうです。

でも、ちょっと待って下さい。それって本当にクラウドソーシングの本質を理解しているのでしょうか?

もちろんコスト削減の目的も大きなポイントではあります。クラウドソーシングのサービスにおいても分かりやすいから低コストを謳ってしまうケースも多く見られます。

しかし、私はその「費用の安さ」を目的にしすぎると、クラウドソーシングの本質、本当の価値を見失ってしまうと、強く警告します。

 

クラウドソーシングの費用の安さだけでなく、発注者が使う時間も考えていますか?

発注者となって数多く発注をしていくと経験的に分かってくるのですが、実はクラウドソーシングの活用全体を見ると決して安くありません。

ワーカーの単価を下げれることには理由があります。それは、発注者側がワーカーが作業しやすいよう仕事をタスク化、ルール化するからです。確かに、そうすれば発注するワーカー自体の単価は下がります。

しかし、よく考えてください。顔も見ずに、打ち合わせで口頭で話すこともせずに、チャットベースで仕事を依頼するのですよ。適当に仕事を振れるわけではありませんし、適当に仕事を振ったらクラウドソーシングでは仕事自体がうまく回りません。

そうなると発注時にワーカーをいかにロボットのように使えるか、細かい指示書が必要になるわけです。そのためには発注者がしっかり業務整理する時間とスキルが必要になるわけです。

よく見逃されるのですが、この発注者側がきっちりとした業務整理と発注指示を出すためにはかなりの時間がかかり、この発注者が負担する時間がコストダウンにつながるのです。逆に言うと、この労力が無ければコストダウンにはつながりづらくなります。

 

「費用の安さ」を目的にすると結果的に発注者側を疲弊させる

クラウドソーシングで費用の安さ目的で、安く、安く、叩いて原価を抑えようという発想しか持たない中小企業の中で、一番苦しい目に合うのは発注担当者です。

発注担当者が企業の代表者であれば、自分が招いた責任と苦しみなので自業自得なのですが、最悪なのはその代表の発想で指示を受けたのが発注担当者の社員というケースです。

まず発注担当者は社長の指示に従い、安くクラウドソーシングを使おうと考えるのですが、そこで気づかされるのがワーカーへの依頼内容の整理をしなければいけないことです。

いかにワーカーを安く使おうかという目的になりますと、依頼する作業内容をより簡単にしていけば良いのですが、そうなると発注担当となる自分に作業負荷がかかってきます。発注担当者は仕事をいかに安く外注できるかということに躍起になり、ワーカーの単価を下げるために依頼業務を整理し、指示内容を明確化し、コスト削減に取り組もうと頑張るでしょう。

真面目な発注担当者ほど社内で業務整理を一生懸命頑張り、慣れないクラウドソーシングワーカーとのやりとりで質問攻めに合い、時間だけがかかってしまって業務過多で潰れてしまう。

そもそも業務整理がしっかり行えていない中小企業が多いので、往々にしてそのようなケースが発生してしまいがちであることを忘れないようにすべきなのです。「費用の安さ」目的で大事な社員を潰しかねないことを中小企業の代表は考える必要があるのです。

 

クラウドソーシングの仕事全体で見ると逆にコスト増になる場合もある

発注者側の負荷も考えると、総合的に見てクラウドソーシングはコスト削減にはつながりづらいです。

特に中小企業の発注者であれば、発注までの業務整理に追われてしまい、実際にコスト削減につながるかというと怪しいものです。外注費として出す原価は下がっていても、社員の負荷は下がらず、逆に社員が縛られる分、高コストになる可能性が高いのです。

中長期的にクラウドソーシングを使おうと考える企業であれば、初期の発注者負荷も耐えられるかもしれません。しかし、短期の発注、短期のコスト削減だけを目的にすると、発注者の負荷が予想以上に重いことが強調されてしまい、コスト削減のメリットを感じることはほぼ無いでしょう。

ただ、これは一度クラウドソーシングを利用してみないと経験できないので、なかなか始める前に理解しろというのは難しい問題でもあります。

 

まずは「クラウドソーシング=安い」の考え方から変えるべき

「クラウドソーシング=安い」というイメージや固定概念から入ってしまうと、クラウドソーシングの本質は見えてきません。

クラウドソーシングは外注者の単価を下げる分、オンラインで発注するための発注方法を発注者が身につけないといけないこと、そのために発注すべき業務内容を先に社内で整理する必要があることを理解しなければいけません。

クラウドソーシングは便利なツール、安くて手軽なツールと考えるのは間違いです。本気でクラウドソーシングの活用を考えるならば、まず「クラウドソーシング=安い」という発想はやめましょう。

 

クラウドソーシングのプロジェクト全体にかかる費用をシミュレーションすべき

クラウドソーシングはあくまで1つの仕事の仕方と捉えるべきで、夢のように原価を下げられるものではありません。クラウドソーシングで働き手となるワーカーが存在し、これまでの仕事とは別の方法で依頼できる選択肢が増えたと考えるべきです。

仕事なので、依頼する側、依頼される側、双方に業務負荷が発生します。これはクラウドソーシングになって減るわけではありません。むしろクラウドソーシングに仕事が置き換わることで、依頼される側よりも依頼する側の負荷が増えてくると考えて利用することが大切になります。

そこで、私が初めてクラウドソーシングを利用する中小企業に提案したいのは、ざっくりでも良いのでコストシミュレーションを行うことです。

クラウドソーシングを利用する場合は発注者にも負担がかかることを始める前から想定しておき、クラウドソーシングのプロジェクト全体として、発注者社員にかかる工数、クラウドで作業するワーカーの単価のトータルコストをシミュレーションしてみましょう。

そうする事で、クラウドソーシングに安さだけを求めてしまう体質が変わり始めると思いますよ。

 

クラウドソーシングを利用する側の体質改善こそがクラウドソーシング活用をうまく成功させる前提条件なので、是非そういった視点を持ってみて下さいね。

 

 

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